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緊急地震速報 ~数秒間の心構え~

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2024年1月1日16時10分頃に発生した「令和6年能登半島地震」では、最大震度7を観測するなど能登半島を中心に強い揺れを観測しました。
能登地方では、最大震度5強以上の地震を9回観測(1月1日から23日まで)するなど、活発な地震活動が続いており、一連の地震に伴って多くの緊急地震速報が発表されました。
今回は、この「緊急地震速報」を解説します。(この記事は、2024年1月25日に掲載しています。)

緊急地震速報とは

地震が発生すると、震源からは揺れが地震波となって地面を伝わっていきます。地震波には初期微動(P波:Primary「最初の」の頭文字)と主要動(S波:Secondary「二番目の」の頭文字)があり、P波の方がS波より速く伝わります。
地震による被害はほとんどの場合S波によってもたらされるため、地震波の伝わる速度の差を利用して、最初に来る小さな揺れのP波の観測データから、震源やマグニチュードなどを推定し、強い揺れのS波が伝わってくる前にこれから大きな揺れがくることを素早くお知らせする情報です。

緊急地震速報の概要図(気象庁ホームページより)
緊急地震速報

緊急地震速報(警報)の発表条件と内容

緊急地震速報は、大きく分けて「警報」と「予報」の2種類があります。ここでは2007年10月1日から運用開始された一般に伝えられる緊急地震速報(警報)について記述します。

発表条件

  • 地震波が2点以上の地震観測点で観測され、最大震度が5弱以上または最大長周期地震動階級が3以上と予想された場合に発表(長周期地震動階級の追加は2023年2月1日から)

内容

  • 地震の発生時刻、発生場所(震源)の推定値、地震発生場所の震央地名(震源の真上にあたる地表の地名)
  • 強い揺れ(震度5弱以上または長周期地震動階級3以上)が予想される地域及び震度4が予想される地域名(神戸市は「兵庫県南東部」に含まれる。)
  • 長周期地震動については、気象庁の「長周期地震動とは?」のページを参照https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/choshuki/choshuki_eq1.html

緊急地震速報の特性や技術的限界

緊急地震速報は、地震が発生してから、その揺れを検知し解析して発表する情報ですので、次のような特性や技術的な限界があります。

  • 発表してから強い揺れまでの時間は、数秒から長くても数十秒程度と極めて短く、震源に近い場所では、緊急地震速報の発表が強い揺れの到達に間に合わない場合がある。
  • 予想震度や予想長周期地震動階級は±1階級程度の誤差を伴うなど、精度が十分でない場合がある。
  • 震源が地震観測網から遠い場合や深い場合は、震源やマグニチュードの推定値の誤差が大きくなる可能性がある。
  • マグニチュードが大きな地震では、地震断層面の破壊が続いている中で緊急地震速報を発表することになるため、マグニチュードが大きな地震ほど、誤差が大きくなる可能性がある。
  • 複数の地震が時間的・距離的に近接して発生した場合、規模の大きな1つの地震が発生したと認識するなどし、的確な緊急地震速報を発表できないことがある・・・等々

緊急地震速報を見聞きしたときは

緊急地震速報は、テレビやラジオ、スマートフォン、携帯電話、防災行政無線など複数の経路で知ることができます。緊急地震速報を見聞きしてから地震の強い揺れが来るまでの時間が数秒から数十秒しかありませんので、その短い間に身を守るための行動を取る必要があります。
緊急地震速報を活かすためには、日頃からの地震に対する備えとして、家屋の耐震化や家具類の固定等の事前の対策を行い、安全なスペースを確保しておく必要があります。そして、緊急地震速報を見聞きしたり、地震の揺れを感じたときは、周囲の状況に応じて、まわりの人にも声をかけながら、あわてずまず身の安全をはかることが基本です。
いつどこで緊急地震速報を見聞きしてもとっさに行動できるように、場所ごとにどう行動したら良いのかを日頃から考えておきましょう。

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危機管理室総務担当