残暑が厳しい日が続き、台風が相次いで接近するなど、夏〜秋の現象が続いていたかと思っていたら、季節は着実に進み、秋が次第に深まり冬の到来を告げる「木枯らし1号」が吹く季節となりました。
今回は、この「木枯らし」について解説いたします。(この記事は、2022年10月31日に掲載しています。)
木枯らしとは
木枯らしとは、「晩秋から初冬にかけて吹く、北よりの(やや)強い風」(気象庁の天気予報等で用いる予報用語による)とされており、冬型の気圧配置になった時に吹くこの北よりの冷たい風は、紅葉した樹木の葉を落とし、木を枯れたようにしてしまいます。
季節が秋から冬へと変わるこの時期は、移動性高気圧と低気圧が周期的に通過します。低気圧が通過する時は雨を降らせ、通過後には一時的に西高東低の冬型の気圧配置となり、北から冷たい風(木枯らし)が吹きます。
2021年に近畿地方で木枯らし1号が吹いた10月23日の天気図
(気象庁ホームページより)
木枯らし1号の発表地域と発表基準
晩秋から初冬にかけて西高東低の冬型の気圧配置となり、その年初めて吹く北よりの(やや)強い風を「木枯らし1号」と言い、このような冬になったことを感じさせるような風が吹いたとき、「木枯らし1号が吹いた」と気象庁から発表されます。
しかし、木枯らし1号の発表は、近畿地方と東京地方しか発表されなく、その他の地方で同様の風が吹いたとしても木枯らし1号として発表されることはありません。
また、近畿地方と東京地方ではそれぞれ発表される基準や条件が異なります。
近畿地方の期間は、霜降(10月23日ごろ)から冬至(12月22日ごろ)であり、東京地方の木枯らし1号の対象期間(10月半ばから11月末までの間)と違いがあります。近畿地方と東京地方の基準等の違いは下表のとおりで、両地方ともに下表の事項を基本として総合的に判断して発表するとしています。
なお、木枯らし2号以降の発表はなく、期間や気圧配置、風の条件が揃わず、木枯らし1号が発表されない年もあります。
近畿地方および東京地方における「木枯らし1号」の発表基準等