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シールド工法

最終更新日:2024年10月30日

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例えば、空想科学の世界。
地下をものすごい速度で進んでいくドリルタンクが当たり前のように登場します。
そんな機械が本当にあるのなら、何年もかかっている地下鉄工事など、あっという間に終わりそうです。

しかし、そんなマシンは現在の科学では実現不可能なのが現実。
ここでは、地下河川の整備でも使われているシールド工法についてご説明します。

従来、市街地でのトンネル工事の主流は、開削工法によるものでした。
これは、現場の地面の上から掘り下げてコンクリートの構造物を作り、また埋め戻すという方法です。
しかし、道路交通や周辺家屋に対する影響が大きくなるため、工事が長期化する要因になっていました。

シールド工法とは、発進場所に縦穴(立坑)を掘り、そこからシールドマシン(掘削機)で地中に横穴を掘り進み、その後ろに分割されたトンネルの部品(セグメント)を順に組み立て、トンネルを造っていく方法です。

泥土圧式シールド堀進概要
<シールド工法による工事の進め方>

シールドマシンは一般に円筒形で、底が抜けた茶筒を倒したような形です。
マシンの先端(茶筒のフタ部分)は、カッターヘッドと呼ばれ、回転する面板です。
そこに(カッター)ビットと呼ばれる非常に硬い、おろし金のようなものが円周状に多数ついており、掘り進んでいきます。

シールドマシンシールド工法によるトンネル工事(中)到達点の様子
<シールドマシン(左)と、シールド工法によるトンネル工事(中)及び到達点の様子(右)>
(※上記3点は、いずれも高橋川放水路築造工事(東灘区森北町~本庄町)に関する写真)

シールド工法の利点は、柔らかい地盤でも掘り進めること、セグメントを工場で大量製作してコスト削減が図れることなどです。
技術自体の進歩もあり、最近は地下鉄、用地の確保が難しい都市内の道路や下水道、地下河川など多くのトンネル工事で採用されています。

最近では上から掘って工事をするしかない場所以外は、シールド工法を用いて安全性の向上と工事の早期化を図っています。
ひょっとすると、ふだん皆さんが歩いている道路の下でも、大きな鉄製のモグラが進んでいるかも・・・?

<参考>
ちなみに、シールド工法が最初に採用されたのは、イギリスのテムズトンネルで、1825年のことでした。
開発者は、フナクイムシが木造船に穴を開けていく様子が効率的なことにヒントを得たと言われています。

  1. 多自然川づくり
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