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神戸市営地下鉄海岸線-夢かもめ-
2001年(平成13年)7月7日に開業した神戸市営地下鉄海岸線「夢かもめ」は、新長田~三宮・花時計前間を全線地下で結んでいます。長田区、兵庫区、中央区の南部を通り、約8km、10駅を、所要時間約15分で走ります。
軌間は1,435mm、電源は直流1,500Vで、西神・山手線と同じですが、リニアモータ駆動方式の中量型車両を採用し、トンネル断面積が小さく、急勾配や急カーブに強い鉄道となっています。
車両数は、4両組成のオールM(電動)車10編成、40両です。
電車を安全・正確・快適に運転できるように車両の定期検査及び保守点検などを行っているところが、この御崎車両基地です。
御崎車両基地は「御崎公園駅」と「和田岬駅」の中程にあり、地上が公園、地下1階が駐車場、そして地下2階が基地になっています。
保守関係の事務所と信号扱い所、車両搬入棟などごく一部が地上にあるほかは、基地全体が地下にあるため、防災に万全を期し、換気・空調など作業環境の保全にも配慮しています。
地下2階の基地は広大な空間になっており、定期検査場、検車場、臨時検査・転削場、などがあります。(写真は定期検査場)
神戸市兵庫区御崎町1丁目2-1
約40,000平米
13編成
定期検査場では、車体吊上げ用クレーン、台車洗浄装置、床下気吹装置、台車塗装装置等の検修設備を備え、下記の定期検査等を実施しています。
重要部検査は、4年または当該電車の走行距離が60万kmを超えない期間のいずれか短い期間ごとに、電車の動力発生装置、走行装置、ブレーキ装置等、重要な装置の主要部分について行うものです。
全般検査は、8年を超えない期間ごとに電車全般について行うものです。
検車場は、3線の検査線、工場への入出場に使用する前後検査線等があり、下記の検査と車両故障の修理、洗車、清掃等を実施しています。
列車検査は、電車の運行状況に応じて、10日を超えない期間ごとに電車の主要部分について外部より行うものです。
月検査は、3ヶ月を超えない期間ごとに、電車の状態及び機能について行うものです。
電車が故障した場合、故障原因を調べたり、修繕や故障機器の取り替えなどを随時行います。
臨時検査・転削場では、臨時の検査や車輪の削正を実施しています。
摩耗したり滑走などにより変形した車輪踏面を削正し、正規の形状に戻します。
車輪・台車を車体に取り付けた状態でも作業ができます。
臨時検査は次の各号に該当する場合に行うものです。
車両基地では、定期検査や修繕のほか、電車の洗浄・清掃作業なども行います。
回転ブラシとノズルから噴射する洗浄水で車体外板の洗浄を行う装置があり、車体を低速で走行させながら、自動的に洗浄することができます。
車内の床、壁面、窓などを作業員の手で清掃します。
海岸線は、本線も車両基地もすべて地下に建設されています。
そこで、電車を地下に入れるために設けられたのが車両搬入棟です。
車両搬入棟に設置された12tクレーン2基で電車を吊り上げ、地面に開けられた車両搬入口から地下に降ろします。
ちなみに地下の床面から地表までの高さは約12mあります。