最終更新日:2024年9月19日
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須磨区のニュータウン地域にある横尾の団地に10年以上暮らし、2017年に同じ横尾の一戸建てに引っ越した、岡田さん一家。団地にお住まいの頃から近隣で畑を借りて野菜作りを楽しまれていて、現在は一戸建てのお庭にも、季節の野菜が次々と実っているそうです。
私は板宿で生まれて、横尾に引っ越してきましたので、子どものころからここで過ごしています。ところが意外と当たり前すぎて気づかなかったんです。仕事をするようになって、外に出るようになってから、須磨の良さがよく分かりました。実家も近いですし、横尾からは離れないと決め、団地がとても気に入って10年以上暮らしていたのですが、庭でも野菜が作りたくて一戸建てに引っ越してきました。
西区の伊川谷で育ち、一時は須磨区の板宿に住んでいたこともあります。板宿も賑やかな商店街があって暮らしやすく、海も山も近くて好きなまちです。でも今では、横尾に住んだ期間が一番長くなって、ここの暮らしがとても気に入っています。
子どもが生まれてから特に思うようになったのですが、自然がすぐ近くにあることです。すぐ裏の山は、たくさんの方が参加する宝塚から須磨浦までの六甲全山縦走大会のコースの一部で、当日は朝から家のすぐ近くの道が、まるで商店街の中のように人でいっぱいになります。その登山道を、公園へ遊びに行くのと同じ感覚で、子どもと一緒に登ります。30分ほど登るだけでも須磨のまちと海が見渡せる場所があって、私も子どものころは犬の散歩で登り、海を眺めて帰ってきていました。東山から入り、馬の背の手前の道を下りて帰ってくるのが1時間コース。三宮方面から神戸空港までのビューポイントもあります。整備された登山道を抜けたら板宿まで行けますし、3時間ほど歩いて須磨浦公園まで行って遊んで帰ってくることもあります。
もちろん、海も近いですよ。夏休みは朝から、子どもたちに水着を着せて、食べるものを持って、車で須磨の海岸へ出かけます。15分ほどで着いたら、海で十分に遊んで、家に帰ってからお風呂に入る。これが午前中だけでできてしまいます。
町中に比べて、物価が高いというイメージを持っておられるのではないでしょうか。ところが、すごく安いものが安く売られているというわけではなく、同じものが安いんです。これは私が日々の買い物で実感しています。郊外型の大きなスーパーが充実していて、24時間営業の大きなスーパーもあります。車で行くとしても駐車場が無料というケースが多いので助かります。町中ではそういうわけにはいかないでしょうね。
まず通学路の安全ですね。横尾の周りを「赤道」とよんでいる赤く舗装された歩道がぐるっと取り囲んでいて、全ての子どもが家の前の道から赤道に入ったら、車の心配をしないで小学校まで行けるようになっています。ニュータウンを作った人たちが一生懸命、子どもたちの安全を考えてくれていたのでしょうね、”愛”を感じます。
小児科をはじめ、皮膚科や眼科など子どもが必要とする医療機関が充実しているのも安心ですね。妙法寺駅前に集約されています。高齢の方にとっても心強いと思いますよ。上の子がまだ小さい時、急に高熱を出して、抱っこして必死で小児科まで走りました。わざわざ車に乗って行く必要がないんです。その様子を見た看護師さんに「ドラマじゃないんですから」と言われました(笑)。元々、医療機関があるニュータウンとして作ったのでしょうね。確かに、まちづくりをした人たちの住む人への”愛”が今でも伝わってくるまちです。
小学校と駅前の児童館には学童保育所が開設されていて、どちらかを選べます。学童がない地域もありますから恵まれた環境です。今は働くお母さんが多いのでまだまだ十分とはいえませんが、私たちが来たころには1カ所しかなかった保育所が少しずつ増えてきています。駅前の小児科クリニックには病児保育もあります。場所に余裕があるニュータウンだからできることでしょうね。
職場のある三宮へは地下鉄で15分ほど、通勤がすごく楽です。仕事帰りにちょっと飲んで遅くなっても地下鉄一本で帰れるので大丈夫。西神山手線の三宮駅から妙法寺駅までは完全地下ですから、雨の日も雪の日も、台風の日も影響を受けにくいです。地下鉄に一駅乗って、板宿で阪神電車の特急に乗り換えたら、西は姫路方面、東は尼崎や大阪へのアクセスもとてもいいですよ。車なら、阪神高速3号神戸線妙法寺入口がすぐ、第二神明道路の須磨インターもあって、西へも東へも移動がしやすいですね。将来、阪神高速は湾岸線につながる予定ですから、ますます便利になるでしょうね。
いろいろな所から集まって来た人たちが住人になってできたニュータウンですから、誰かがリーダになると決まっているというのではなく、みんなでまちをつくってきたという雰囲気があります。まちができたころから住んでいる人、ここで育って戻って来た私たちと同じ世代、新たに入ってきた子育て世代、それぞれの世代間で近過ぎず、かといって都会の真ん中のように疎遠でもなく、ちょうどいい距離感でのお付き合いがあります。一方、古くからの神社を中心にしてできた集落も近く、畑を貸していただいたりして、いい関係が築けています。
最近はニュータウンがオールドタウンになりつつあるなどと言われていますが、横尾を見る限りでは世代交代がうまく進んでいると思います。子育てしやすいまちだと”知る人ぞ知る”なのでしょうね。13年住んでいた団地では、うちの家族がいつのまにか古株になっていました(笑)。一戸建てのエリアにも少しずつ子育て世代が移り住み始めています。外から入ってきても馴染みやすい環境なのだと思います。
海と山のどちらにも近いという神戸ならではの環境が、実はここには揃っていると思います。もちろん、神戸を代表するおしゃれなまち三宮が近いということもあります。
須磨に住んでいたら、三宮も「わがまち」といえるほど身近にありますからね。休日は、早朝から須磨や垂水の海へ釣りに行き、帰りがけにポートアイランドまで買い物に行き、家に帰ったら山へちょっと散歩にでかけ、夕方から畑仕事。とれたての魚と野菜で晩ご飯!こんな暮らしができるまちは、なかなかないと思います。
ニュータウンは味気ないというイメージを持たれがちですが、決してそんなことはないんです。住んでいる人の満足度がすごく高いと思います。子ども時代を過ごし、働きながら子育てをし、これからもずっと住み続けようと思っている私がとても満足して生活を楽しんでいるのですから、間違いはないです!