新政府は、近代国家として行政機構の整備に着手する。治安維持のための警察機関が、そして一般行政機関が次々に整備された。
都市に人が流入・膨張し、増大する行政事務への対応や経済発展にむけて公共事業を拡大させるために、地方行政の確立は急務であった。その第一歩を踏み出したのは、明治4年(1871)4月4日の戸籍法の発布であった。さらに、明治11年(1878)郡区町村編制法・府県会規則・地方税規則のいわゆる三新法が制定され、兵庫県の地方行政は一挙にその形式を整えていく。
明治12年(1879)の郡区制の実施に伴い、兵庫県には1区33郡が設置された。その1区が神戸区で、兵庫、神戸に坂本村を加えて「神戸区」とし、現在の神戸市の原型となる行政単位が形成された。さらに市町村制が公布された翌年の明治22年(1889)4月1日、それまでの神戸区に荒田村と葺合村を加え神戸市が誕生した。
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初代庁舎