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定例会見 2024年7月26日

最終更新日:2024年7月26日

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会見資料はこちら
 

冒頭

司会:

 それでは、ただいまより、7月2回目の市長定例会見を始めさせていただきます。

 市長、よろしくお願いいたします。

久元市長:

 よろしくお願いいたします。今日、お話を申し上げたい案件はコロナウイルスの感染状況、それからアライグマの捕獲について、2件お話をしたいと思いますが、その前に、今東京ドームで都市対抗野球大会が開催をされています。神戸市、高砂市の代表である三菱重工Westが4年連続40回目の出場をされているわけですが、23日の初戦を突破され、そして25日、昨日は、昨年優勝した豊田市のトヨタ自動車に9対2で大勝をいたしました。2018年の第89回、このときは準優勝だったと思うんですが、それ以来のベスト8入りを果たしているわけです。ぜひ27日の第1試合第3戦も勝ち抜いていただいて、できる事ならば優勝してもらいたいというふうに願っております。

新型コロナウイルス感染症

 それでは、新型コロナウイルスの感染の状況です。感染は、残念ながら拡大をしているというふうに言っていいかと思います。去年の5月8日から定点観測に移行をいたしまして、定点の医療機関、毎週月曜日から日曜日の患者数の報告をしてもらっております。定点医療機関は48か所です。この定点患者数の動向は、国、県と同じように推移をしておりまして、この緑色が神戸市です。神戸市が、7月は10.6名ということで、この6月の後半からかなり上昇傾向にあります。これは第10波の頂点でありました今年の1月22日から1月28日の数字を超えるというレベルになっています。

 7月22日に厚生労働省が行った有識者ヒアリングにおきましては、国立感染症研究所によりますと、8月から9月にかけて流行のピークを迎えるのではないというふうに予測をされておりまして、神戸市でも同様に、今後感染拡大が続く可能性が高いのではないかと考えております。

 神戸市は、健康科学研究所でゲノム解析を引き続き行っております。オミクロン株の変異株はかなり頻繁に抗体をつくっております。世界的な潮流でありますJN.1系統のKP.3系統、この水色の部分が圧倒的な割合を占めるようになってきております。このKP.3、あるいはそれ以外の系統の特徴につきましては、これは国立感染症研究所などが、これは海外の知見にも基づきながら発表しておりますが、このKP.3の感染力は従来のオミクロン株と同様に高いということ、それから中和抗体に対しては従来株よりも高い免疫逃避の特徴を持つというふうにされております。

 ただ、公衆衛生リスクが高まっている、あるいは重症化リスクが高まっているという、そういう知見には現在なってない。こういう状況ですので、やはりできるだけ感染しない取組が必要です。特に今は大変気温が高くなっていますので、冷房をつけられる家庭がほとんどだと思いますが、時々は換気をしていただくということも大事ではないかとされております。

 また、こういう発熱とか咳とかの症状があれば、躊躇なく仕事や学校、今は夏休みだと思いますが、仕事や学校を休んでいただく。そしてかかりつけ医に受診をしていただく。そして通院時だとか、あるいは症状があるときにはマスクを着用する。予防の観点からマスクをつけておられる方もいらっしゃいますけれども、そういう対応をお願いしたいと思っています。

 また、今年の夏は、去年よりもさらに気温が高くなっておりまして、7月の平均気温は過去5年と比較して一番高くなっております。熱中症への注意も必要です。炎天下での外出は、もちろん体調にもよると思いますけれども、避けていただく。そして、エアコンや扇風機を上手に活用していただく。特にマスクをつけた場合には、熱中症に注意をしていただいて、小まめに水分を取っていただきたいというふうに考えております。

アライグマ捕獲強化策を展開します

 それから、アライグマの捕獲強化です。私も市内を回ったときに、市街地でも、それから郊外でも、あるいは農村部でも、この辺アライグマがよう出るんですというふうに言われることがあります。やはり、このアライグマに対する市民の皆さんの関心というのが高くなっているということを感じます。

 アライグマの捕獲状況ですけれども、この赤が今年の捕獲数ですけれども、例年の大体約2倍ぐらいの捕獲を行っております。神戸市はこのアライグマ対策に力を入れてきました。それは、やはりアライグマの被害、農作物への被害が多いということ、それから住宅でも柱をかじられたり、被害がある。なかなかそういう機会は少ないかもしれませんが、人と接触をして引っかかれたりすると、これは感染症に感染をするというおそれもあります。

 在来種への被害というものの確認をされています。ということで、神戸市では、このアライグマの捕獲に力を入れてきておりまして、2022年度2,061頭捕獲をしております。これは全国の市町村の中で最高の捕獲数ということになっております。

 今年は、これは過去、全国で最高なんですが、さらにこの2倍のペースで推移をしているということですね。これから夏野菜、それから果物の収穫期を迎えますので、神戸市としては市内全域での捕獲強化を行いたいと考えております。トマトが今、収穫期を迎え、トウモロコシがこれから9月まで収穫期を迎え、ブドウも今、収穫中ですね。イチジクなどです。イチジク、梨、柿はこれから秋にかけて収穫期を迎える。去年も農作物の被害はイチゴが2,020万円など、それなりの金額に上っております。

 そこで全国で最高の捕獲レベルなんですけれども、捕獲体制の強化をしたいと思っております。神戸は市街地と山が近いということで、山の中にねぐらがある。里山などの山林がアライグマのねぐらになっておりますので、捕獲エリアを今までは山の中での捕獲というのはあまりやっていなかったんですけれども、ねぐらとなる里山などにも檻を設置するということにしたいと思っております。アライグマが農地に出てくる前に積極的に捕獲をするということですね。

 それから、今はこの捕獲の檻を鳥獣相談ダイヤルに電話していただいたら持って行ってお貸しをして、そして入ったらまた取りに行くということですけれども、よく出没するところについては長期間のこの捕獲の檻をお貸しして、そして、そういうところには複数配置をするということも考えていきたいと思っております。

 この捕獲の檻は現在700基になるわけですが、収穫期を迎えている今、できるだけ早く1,000基にまで増やしまして、年度内には今の倍の1,400、倍にしたいというふうに考えております。檻はこういう檻なんですけどね。ここにアライグマが入るわけですね。私もアライグマが入っているのを見たことが、こういうものをお貸しするということですね。

 こういう形で、アライグマの被害にお困りの方は、神戸市鳥獣相談ダイヤルに御相談の電話をしていただければ、捕獲班ですね、猟友会あるいは民間の事業者が、このおりを持ってお貸しをする。入ったらこれを運び出して、殺処分して動物管理センターでこれを焼却する。こういう取組を行っているわけですけれども、これを強化していきたいと考えております。

 最後にちょっと動画を作っておりますので、御覧いただきたいと思います。

(動画上映)

質疑応答(発表項目)

記者:

 アライグマの件なんですけれども、イノシシとか熊についても言われるんですけれども、里山と人間が住むところの境界線がなくなっていくことで野生動物の進出につながるというのは割とよく野生動物で言われていると思うんですけれども、捕獲とともにどう人間と動物が住み分けていくかみたいなところの対策が、もし今考えておられることがあるのであれば伺えたらなと思ったんですけど、いかがでしょうか。

久元市長:

 まず、昔から里山というのはもともと田んぼとか、畑とか、集落とか、そのすぐ近くに山があった、里山があったということなので、そこは昔からそういうことなので、人間の生活領域と動物の生活領域を分かつということは、少なくとも神戸市内における有害鳥獣対策としては、なかなか難しい面があるというふうに思います。

 ここはツキノワグマの対策と違うところがあるんですね。ツキノワグマの場合には、集落がなくなって、柿の木が置き去りにされることが広がってきたということがありますから、それをできるだけ伐採をしてツキノワグマが里に下りてこないようにするという意味では、おっしゃったような距離を取るということが必要だと言われておりますが、ツキノワグマの対策とはちょっと違うのではないかと思います。

 ただ、イノシシについて言うと、この里山と田んぼとか畑との間の距離を一定取ることによって、下りてくる割合が少なくなるのではないか。これは可能性ですけれども、そういうことも言われておりますから、そういうような対策は講じていくということは、イノシシ対策としては有効ではないかと。アライグマについては、ちょっとそれはなかなか効かないのではないかという気がいたします。もし間違っているようだったら、いいですか、今ので。

記者:

 それでいうと、やはりアライグマは捕獲こそが対策だと。

久元市長:

 捕獲をするということが決め手になると思います。

記者:

 アライグマの件なんですけれども、捕獲エリアを里山、山林に設置とあるんですけど、これまでは逆に農地とかに設置していたということなんでしょうか。

久元市長:

 そうです。市街地でも、例えば商店街とか、あるいは住宅地などでも鳥獣相談ダイヤルに相談を受けたところはありますが、多いのは西区と北区の農村地域ですね。そういうところからの通報が多くて、田畑、あるいは農家などの庭とか、あるいは敷地の中に設置をするということがあります。山の中にはあんまり設置してこなかったんです。そこまでそれを、山の中にもこれを置いて、予防的に捕獲をしようと、被害を予防するという意味での捕獲をやっていくという、そういう取組です。

記者:

 ありがとうございます。
 ということは、この里山山林への設置は、これまでのように通報を受けての設置というわけではなくて、ある程度多そうなところに目をつけて、通報なくても設置して捕獲するというような形になるんでしょうか。

職員:

 おっしゃいましたとおり、具体的には今まで、いわゆる通報を受けて、被害があったということを受けて檻を設置してきたわけですけれども、そうではない、いわゆる能動的捕獲を進めようということで、猟友会のほうにお願いしまして、猟友会のほうに檻を貸し出しまして、積極的に山裾の、もしくは山林中の中で捕っていただくということを予定しております。

記者:

 アライグマの件で、今年かなり捕獲数が多いということで、例年なんかこの数字を見ていると、同じような傾向で来てたのに、今年だけということみたいなんですけれども、何か原因みたいな、心当たりがあるのかどうか、アライグマ自体が増えているのか、外に出てきている数が多いのか、何か教えていただければと思います。

職員:

 すみません、実際のところ、ちょっと今、原因というのは不明でございます。グラフも出ておりますように、大体今、ここ3年間、2,000頭ぐらいで、何というんですか、バランスが取れていたというか、バランスが取れていたということは変なんですけれども、被害が出て、捕っていたのが2,000頭ぐらいで一定していたんですけれども、今年度、なぜか急に2倍になってございまして、ちょっとこのあたりは原因不明でございまして、今、ちょっと専門家のほうにも情報を提供しまして、また要因分析をお願いしているところでございます。

記者:

 アライグマについてなんですけれども、捕獲に力を入れてこられた理由として、農作物の被害とか、人的被害というところを防ぐためとおっしゃっていましたけれども、この力を入れてきたことによって改善されてきたのかどうか、数値的なものがあれば分かりやすいかもしれませんが、教えていただけると助かります。

久元市長:

 これは正直よく分かりません。もともと、アライグマの生息数というのがどれぐらいかというのは、これ、日本中のことですけれども、これはそういう正確なデータはないし、よく分かっていないんですよね。ですから、しかし、現実にアライグマが出没してて被害があるということは、やっぱり増えているのか減っているのか分からないですけれども、やはり一定数のアライグマは恒常的にいるというふうに考えるべきで、少なくとも、アライグマの捕獲を強化して、捕獲数を増やして、被害を未然に防いでいく、能動的捕獲というんですかね、さっきの。そういう予防的見地からの能動的捕獲ということをやっていく必要があるということは、これは専門家の意見を聞いても、その必要性は認められていると。正直よく分かりません。

記者:

 分かりました。

 あと、この檻というのは、アライグマ専用とかなんですか。

久元市長:

 アライグマと、ハクビシンもこれでかかるんでしょう。

職員:

 大体中型獣、すみません。中型獣の専用檻で、アライグマだけというわけではないんですけれども、一応この形のサイズの檻を使っております。ちなみに、ここ、踏み板式と、ちょっと見えますかね、なってございまして、ここに餌を置いておきますと、アライグマがとことことこと入って、板をぱっと踏むと、こういうふうにがしゃんとおりが閉まるようになっております。これは一例で、餌をつって、それを引っ張ると閉まるタイプとか、その2つぐらいが今、現状ございます。

記者:

 その2つというのがポピュラーな檻の形ということですね。

職員:

 そうです。

記者:

 アライグマの件なんですけども、かまれたら感染症のリスクということなんですけども、実際に神戸とかでもそういった人的被害、感染症の被害とかというのは起きているものなんですか。農作物以外の被害は起きているものなんですか。

職員:

 一般的には、例えば狂犬病とかアライグマ回虫とか、そういったことが言われるんですけれども、基本的に今、現状、日本には狂犬病は入ってございませんし、アライグマにかまれてそういった重篤な症状が出たということは正直ございませんけれども、やはり野生動物、アライグマに限らずですけれども、どんな菌を持っているか、ウイルスを持っているかというのは分かりませんので、かまれたら医療機関を受診していただくなり、そういったことはもうお願いしているような次第でございます。今のところは特にございません。事例はございません。

記者:

 ありがとうございます。

 すみません、もう1点お伺いしたいんですけれども、この捕獲なんですけども、今後ずっと常に、シーズンにかかわらず強化していくのか、それとも何かこの時期は強化していくみたいなものとかはあるんですか。例えば夏野菜の収穫の時期というところがあると思うんですけど、アライグマは多分4月から6月ぐらいが繁殖で、そこで一気に3から5頭ぐらい産むというのを、すいません、素人ながら調べたというのもあるんですけど、そういう、産む前に、ちょっとそこの時期で強化するとか、そういったこととかはあるんですかね。

職員:

 御指摘のとおり、ちょうど4月ぐらいから繁殖期で、子供を産んで、子供を連れていろいろ出没するということがございますし、秋にかけてから農作物を狙ってというところがございますけれども、基本的にはそのような対策もしていきつつ、先ほど申しました、いわゆるねぐら捕獲といいますか、逆に冬になってしまうと農地に出てこなくなる分、捕獲する圧が下がってしまうということで、その期間もきちんと捕獲をしていかなきゃいけないということで、ねぐらのある山林部に檻を置いて、捕獲をなるべくしていくように図っていきたいというふうに思っております。

記者:

 今の質問に関連してなんですけども、この檻というのは、いつまで置いておくかというのは決まっているんでしょうか。期間は決まっていますか。

久元市長:

 これは置いている場所が市内で幾つかありまして、通報があればそこに持っていくということですね。かかれば、これを引き取って殺処分をして焼却するという流れです。貸した後、全然かからなかったらどうするのかという御質問ですね。

職員:

 アライグマはいるのにかからないということであれば、御希望を聞いて、設置期間を少し延長したりもいたしますし、それは設置者の御意向で、もう引き上げてほしいということであれば引き上げます。

記者:

 場所によってケース・バイ・ケースで期間を決めていくということですか。

職員:

 そうですね。割と農地や市街地などでよく出るということであれば、少し捕まえるまでに時間がかかるというのであれば、御希望の期間貸し出すというふうにしたいと思います。

記者:

 KP.3の特徴的な症状についてもお聞かせ願えますでしょうか。

久元市長:

 変異株の種類によって、症状については通常のコロナの症状、例えば喉の痛み、発熱、せきとかそういうものが大体共通していて、このKP.3について特に症状の違いはないというふうに思いますけど、それでいいですね。特に症状の違いはないというふうに認識をしています。

記者:

 喉の痛みから始まるとか、何かそういうのもないですか。

久元市長:

 ただ、同じ系統でも、これは実際に市役所の職員もいっぱいかかりまして、私もかかりましたが、人によってかなり違うんです。物すごい症状が重かったというのも、水が喉に通らなかったという人もいたし、それから、そんな大したことはなかった、熱も40度近く上がった人と37度ぐらいの人もあるし、症状も非常にばらばらでしたので、オミクロン株系統、あるいはそれ以前の変異株によって、この系統はこういう特徴があるということではなくて、よく分からないところもあると思いますが、やはり一人一人の体質とか、あるいは体調とかによって変わってくるという面も大きいのではないかなというふうに思います。

質疑応答(発表項目以外)

記者:

 7月11日の会見で、東京都知事選に関する見解をお聞きしたかと思うんですけれども、その後、7月12日に、東京都の小池知事が会見で、久元市長の御見解に対する御発言で、神戸の市長というよりは旧自治省のお言葉なのかなと思うという発言だったり、縮み志向でパイの切り分けの議論ばかりしていると国が縮んでしまうという反論があったというのは御存じかどうかあれなんですけれども、その小池知事の発言を受けて、何かまた改めてお考えとかがあればばお聞きしたいんですけども。

久元市長:

 もう選挙も終わりましたし、私なんかが申し上げたことに対して都庁のクラブで質問があり、小池知事が何かコメントされたということは全然想定していなかったんですけれども、さらに何かこれに対してコメントを言うというようなことはもう、あまり私としてはしたくないんですけれども。ただ、事柄が、やはり私が問題提起したかったのは、一極集中の弊害というのは非常に大きい。そして、そういう中で東京都の施策というものが、周辺の自治体のみならず、全国の自治体に非常に大きな影響を与えているのではないかという問題意識です。

 この点については、昨日、指定都市市長会がありまして、同じように東京都政のありようについても危惧が表明されました。これは昨日、松本総務大臣との意見交換の場でも、私以外の市長からも、そういう東京都の突出した政策に対する危惧というものがありましたので。この問題というのは、やはり全国の各自治体にとって非常に大きな関心事ではないかと思いますから、やはりそれぞれの立場で、この東京一極集中、そして東京都政の在り方ということについてはしっかり議論をしていただく必要があるのではないかと。神戸市も含めて、指定都市市長会の中では、これはしっかり議論をして、もしまとまれば、何らかの提言を出そうということになっているというのが今の現状です。

記者:

 分かりました。
 先日、総務省からも住民基本台帳に基づく人口の発表がありまして、やはり東京のみが人口の増加というのはしているけれども、それ以外の道府県では人口が減少しているという数字が顕著に出ていて、やはり一極集中というのが顕著に表れているのかなと思ったんですけども、そこはやはり、東京都も含めて、全国的に各自治体で、人口の問題について連携しながら向き合うという姿勢というのが重要なのかなと思ったんですけど、その点いかがでしょうか。

久元市長:

 まさにそうです。指定都市市長会も、非常に、東京都以外の大都市で構成されていますから、非常に強く問題意識を持っていて、昨日も非常に活発な議論が行われました。この点は、例えば全国知事会や全国市長会などでも、同じような問題を議論していただいているかと思います。

 人口動態のお話がありましたが、特に東京都23区ですね。東京23区は、これはデータが間違っていたらまた訂正してほしいんですけど、自然減の数は、東京23区と各市町村の中で、自然減が圧倒的に大きいのは23区ですね、間違いありませんね。それから転入増が圧倒的に多いのが23区なんです。これは、人口戦略会議はブラックホール現象ではないかと言われていることで、まさに、東京23区というのは全国から人を集めるんですけれども、しかし、実際に子供の数は非常に生まれにくく、人口の減少幅は一番大きいということですよね。全国からどんどん人材を集めて、しかし東京の人口自体は増えていない、間違いなく減っているという、これは、日本全体にとって非常にゆゆしいことではないかなという気がします。集め続けないと東京を維持できないということですから、ほかのところから。しかも東京都の政策というのは、そういう全国から人材を奪い取るという政策なんですね。若い女性を奪い取り、ファミリー世帯を奪い取る、高校生を奪い取る、介護人材を奪い取る、こういう人材収奪の政策ということを、さらに東京都がやって、今後まさに、日本全体にとって極めて深刻な問題を加速させているというのが東京都政だというふうに私は思っておりまして、そこに対する批判的視点というのは、やはり、さらに共有していかないと、我が国全体が極めて深刻な事態に陥る。つまり、東京都もいずれ立ちゆかなくなるし、地方の疲弊、そして消滅する自治体、これが増えていくということを大変危惧いたします。

記者:

 県の告発文書をめぐる問題についてお伺いします。今週に入って県内の首長、自治体の首長が相次いで知事に辞職を求めるような発言をされています。先日の市長会見でも、県政が混乱しているという言葉もありましたが、このような状況を踏まえて、知事の進退について市長のお考えは何かありますでしょうか。

久元市長:

 正直、前回の定例会見の時も、今おっしゃいましたように、異常な事象が起きているというふうに申し上げ、混乱が起きているということは否定できないのではないかというような趣旨のお話をしましたけれども、ちょうどその翌日、片山副知事が辞意を表明されたり、あるいは西播磨県民局長が亡くなられただけではなくて、西播磨県民局長が文書の中で指摘をした事柄に関係する職員が亡くなっておられたことも分かったということで、極めて深刻な事態になっているというふうに思います。

 同時に、今の御質問の、お辞めになるのかどうかということは、これはやはり御本人自身が判断されるべき事柄であって、それは選挙で選ばれているわけですから、それに対して、私自身は、お辞めになるべきなのか、とどまるべきなのかということは言う立場ではないと思っております。もちろんそれを言うべきだと考えておられる市長や町長のお考えは、それはそれとして、私自身は、そのこと自身に口を挟むべき立場にはないと思います。

記者:

 ありがとうございます。
 前回の会見でも確認させていただいたんですが、県との連携という視点で、市政運営に何か影響というのは出ていますでしょうか。

久元市長:

 現時点では出ていません。具体的に目に見える支障というのは出ていないんですが、しかし、仮にこの混乱が長引くことになれば、やはり、じっくりといいますか、しっかり考えていかなければならないテーマというものの検討が進まなくなることは危惧いたします。それは、県庁の再整備とこれに関連する元町の再整備です。神戸市は三宮周辺の再整備が計画に基づいてほぼ予定どおり進んでいますし、それから、神戸駅の駅前の再整備についての構想を発表している。これも何回か御説明したと思いますが、これも計画的に進めていきたいと思っているわけです。

 その間にある元町駅の再整備、特に元町駅の北側は私が若い頃からほとんど変わっていないということで、これは県庁の再整備と連動しながら進めていかないことには、これは正直ストップして検討がなかなか進まないのは、いわゆる文書問題が発覚する以前からなかなか進んでこなかったんですけれども、これはやはりぜひ県庁として、兵庫県として、県庁の再整備をどうするのかということも含めた考え方がやはり1つの前提となってきますから、これは1つの大きな例ですけれども、こういうものが検討が進まないとすれば、これは神戸市にとりましても残念なことなので、そういうことがないようにそういう問題も含めてしっかり対応できるような県政であってほしいと願っています。

記者:

 来週に県庁のほうで県庁の整備について検討委員会が開かれますけども、現時点で元町周辺の開発について滞っているというのは今のところはないということでしょうか。

久元市長:

 いや、進んでいないということです。ただ進んでいないという状況は文書問題以前から進んでいないので、文書問題によって今、ストップがかかったということではありますが、しかし、進んでいない状況がずっと続くというのは好ましくないということを申し上げているわけです。

記者:

 ありがとうございます。
 すみません、もう1点なんですけども、贈答品の受け取りについてお伺いします。

 市役所の内規で既に受領を断ることがふさわしくない贈答品についての受け取りですとか、保管についてルールがあるというふうに伺っているんですけども、ケース・バイ・ケースだと思うんですけども、どういった事例が断ることにふさわしくないというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

久元市長:

 何でそんな質問されるかよく分からないんですけども、知事が変なものを受け取っているから私も受け取っているに違いないとか、そういう可能性が強いというのであれば、私は大変残念だと思います。贈答品については秘書課にお任せをしておりまして、どんなルールになっているのか正直よく分かりません。ただ神戸市について、さっきも広聴課に確認しましたけど、市民から何か神戸市は、あるいは神戸市長が贈答品でおかしなことをやっているのかというような問合せはないというふう申しておきます。

記者:

 ありがとうございます。
 斎藤知事の件に絡んでの質問ではあるんですけども、PRだったりとか産業振興の施策の参考にするために受け取ったというふうに斎藤知事は会見などでお話ししていますけども、PRのためにもらうということについてはどう思うでしょうか。

久元市長:

 PRのために神戸市に何かを贈る、あるいは神戸市に寄附をするので、これをぜひPRしてくださいというお話は全くないかどうかはよく分からないですね、ほとんどありません。

 ただ、贈答品を受け取ることはあります。それは自治体外交を進めていますし、ほかの自治体との交流もありますし、あるいは市民や企業との間でのやり取りの中で、ぜひ受け取っていただきたいということはあります。

記者:

 ありがとうございます。
 念のため確認なんですけど、市長が自発的にもらうように働きかけたりとか、あと声をかけたりというのはないということでよろしいでしょうか。

久元市長:

 デスクからそんなことを聞くように言われているのかもしれませんが、そんなことはあり得ません。上司に言っておいてください。

記者:

 ありがとうございます。
 県のほうでは贈答品のルールを新たに検討しているというような話もありましたけども、市で既に内規としてありますけども、何かルールの変更ですとか見直しというのは検討される予定はありますでしょうか。

久元市長:

 私自身もあまりよく内規のことを知らないし、そういうことが問題になったこともないし、市民からも「おかしなことをやっているのではないか」という話もないので、そこはよく分かりません。秘書課のほうに聞いてください。

記者:

 先日、関西3空港懇談会があって、神戸空港の発着枠を1日80回から120回に増えるのが決定したと思うんですけども、そのことに対する受け止めを再度お伺いできればと思います。

久元市長:

 この前の3空港懇談会で議論されたのは飛行経路の変更です。この件については、国交省から飛行経路の変更案が示され、これについて検証委員会が設置をされ、そして、この飛行経路について兵庫県と神戸市、淡路島の3市、そして関係する方々に説明をさせていただいて、いろいろと御意見もいただきましたけれども、おおむねこの案でよいのではないかというような感触もいただきましたので、これを改めて3空港懇談会で了解されたということです。

 このことは、今は関空、そして神戸空港から発着する飛行経路は明石海峡と紀淡海峡に大体基本的には限定されているわけですが、淡路島の上空を通過することができるようになれば、発着可能便数はかなり増えることになります。このことは、既に合意されている神戸空港の発着枠の拡大、2025年に国内便を80便から120便に、2030年に国際線を40便に増便をさせるということを可能にする前提条件が整ったということを意味いたしますので、これは大変ありがたいことだというふうに感じております。改めて、淡路島の3市や関係の方々に感謝を申し上げたいと思いますし、3空港懇談会でも議論されたようなアクセスの強化、あるいは淡路島の地域振興ついての神戸市としての協力ということをしっかりやっていきたいというふうに思っております。

記者:

 ありがとうございます。
 それに関連してなんですけれども、来年の国際チャーター便の就航についての今の準備段階とか現状についてお伺いできればと思うんですけれども。

久元市長:

 これは個々の航空会社などとの話ですので、個別になかなかつまびらかにお話しするということはできないわけですが、かなりのところからの引き合いもありますし、手応えは感じているところです。

記者:

 すみません、ちょっと文書問題に戻ってしまって恐縮なんですけれども、小野市の蓬萊市長が県市長会で意見交換の場を設けたいというご発言をされていらっしゃいます。8月23日には市長会による知事要望というのがもともと設定されていて、それまでにはそういう意見交換の場が、あるのかどうか分からないですけれども、仮にそういう意見交換の場が設けられた際に、その場になってどういうやり取りをするかにもよるとは思うんですけれども、久元市長からはどういう御意見とか御提言をしようかなと、何か頭の中で考えていらっしゃることはありますか。

久元市長:

 私は、基本的に、先ほどもお答えしましたように、知事本人の進退ということは御本人が判断されるべきだというふうに思っております。その上で、それぞれ、既に意見を表明されている市長や町長がいらっしゃいまして、市長会ですから、市長の集まりということになりますが、その場の議論に私自身はしっかり参画をしたいというふうに思っております。

記者:

 分かりました。
 やはりその中で、県・市の連携、県と神戸市だけではなくて、兵庫県内の市と兵庫県との連携というのは滞るのが一番よくないことだと思うので、そこに対してはどのように。先ほども同じようなことをおっしゃっておられましたけれども、改めて、その点についてどういう意見を出したいと思いますか。

久元市長:

 県市協調はもちろん兵庫県と神戸市の間の話ですけれども、やはり兵庫県内の市町と兵庫県がしっかり意思疎通を行って、連携して地域の課題、また兵庫県全体の課題に向き合うということが重要ですけれども、それが、これは文書問題が始まる前から、全体として、齋藤知事に代わられてからその辺の関係がうまくいっていないのではないかというような声があったということは事実です。ですから、そこは、改めて、今の県と市町との間の全体的な関係ということについての現状認識とか、それへの対応というのが議論されるのではないかというふうに思います。そのことは意義のあることではないかと思います。

記者:

 分かりました。
 県市協調のところでいうと、先ほどの元町の再整備について、文書問題前から進んでないというお話もありまして、齋藤知事に代わってからそういう意思疎通についてうまくいっていないというような声があったのは事実というお話がありましたけれども、齋藤知事に代わって何でそれがうまくいってないのかなと久元市長は思われますか。

久元市長:

 兵庫県と神戸市の関係から言うと、齋藤知事に代わってからそれがうまくいかなくなったとは思っていません。これは、元町の問題というのは、井戸知事のときからも別に検討が進んでいたわけではないからです。同時に、齋藤知事に代わられてから県庁整備に関する考え方が変わられたということは事実ですが、しかし、具体的にどういう方向に向かって進むのかということについては、方針がよく分からないままに推移してきたということですね。

 うまくいかなくなった、うまくいっていないのではないかと申し上げたのは兵庫県と神戸市の関係ではなくて、県内の市町と兵庫県との関係について、井戸県政のときよりも率直な意思疎通を欠いている、あるいは事前相談が十分ないままに方針が伝えられるというような不満というものが市長や町長の中で存在をしていたということは、これは事実ですし、私もそういう意見を聞いたことがあります。ですから、そこの現状について、今度、市長会の中で、まだ市長会のテーマは私もよく聞いておりませんが、そういうことが、よく聞いておりませんけれども、恐らくそういう県との関係というのは議論されるのではないかというふうに思っています。

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