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灘区とコーラスのつながり

最終更新日:2024年7月26日

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灘区とコーラスの深い「つながり」をご存知ですか?
区内には全国レベルのコーラス団体が各世代で活動しています。
このページでは、みなさまにコーラスの魅力をより身近に感じてもらうために、区内コーラス団体のコラムや、灘区コーラスフェスティバルの情報を掲載しています。

(1)コラム
(2)灘区コーラスフェスティバル

(1)コラム

第8回:灘フェスに参加する中で感じていること

「灘フェスに参加する中で感じていること」というお題を頂き、私のような者に何か書けることはあるのか?多方面に失礼がなければいいなあと思いながら…。

母校神戸高等学校合唱部は高校1年だった2000年夏より、長峰中学校コーラス部は(今回出演しませんが)部活動指導員・部活動顧問として十数年目のお付き合いとなりました。神戸中央合唱団は2015年に機会を頂いてから10回目の秋を迎えようとしております。各団体のピアニストとして、幅広い年代の方々と演奏したり、指導のお供をさせて頂くうちに、より広がりをもった地域での活動が可能となってきました。この場をお借りして御礼申し上げます。

音楽における合唱の魅力は、2人以上〜際限なく大勢で演奏できることと、言語を伴う音楽芸術であることだと認識しています。

ピアニストに憧れを持ち始めた小学校低学年の頃、シューマンという作曲家の教則本に、「前略…もし、よく響く声を持っていたら、天が与えた最も美しい贈物と考えて、さっそくそれを仕上げなさい」と書いてあるのを見て、ピアノ(器楽)はNO.1ではないの!?と驚愕したのを覚えています。

2019年夏、某児童合唱団とエストニアの音楽祭に参加しました。ご存じの方もおられるかとは思いますが、多いときには何十万人という人々が集う大きな合唱と踊りのフェスティバルです。とりわけ文化・故郷(祖国)・母国語を失った人たちにとっての合唱曲の役割は、想像を遥かに超えたものでした。エストニア語の作品が演奏され、愛され続けるさまを心で受け止める体験は、当時の私に大きな影響を与えました。その結果、私自身も彼らのそれと同等に価値のある芸術を持っていることに気付き、他の言語の作品に触れることは、知られざる歴史に目を向けるきっかけとなりました。

日本の合唱作品は、この四半世紀、どんどん進化しています。世界的に見れば、ア・カペラ作品は、伴奏楽器を伴うものよりはるかに多いと聞いています。日本語の合唱作品の大半は、言葉の語感を生かしながら、ピアノをはじめとしたアンサンブル楽器とともに演奏する形態で成立しています。作品の中でのそれらの役割はとても大きいものです。

年齢に関わらず困難の多い現代社会で、歌うという活動に意義を感じて、今日この場所に居合わせてくださっている全ての存在に奮い立たされる思いです。ステージで輝きを放つ方々をご覧になって、私がそうであったように、合唱や音楽の世界に入り込むきっかけを、ここから掴んでくださる方がおられましたら本望です。あらゆる世代の人たちが芸術のもとに集う…とりわけ地域に根付いた活動こそ途絶えぬよう、後押しできる文化を育み続ける地域・街として長く存続するよう、私も心を込めて演奏を続けていきたいものです。

(ピアニスト・内藤典子)

 

これまでのコラム

第7回:灘区コーラスフェスティバルを終えて/神戸市立鷹匠中学校合唱部部長・立尾美陽(2023年1月)
第6回:私とコーラスフェスティバル/親和中学校、親和女子高校教諭コーラス部顧問・麻田健洋(2023年8月)
第5回:日本における合唱の黎明期と灘区における合唱活動/灘区コーラスフェスティバル司会進行・矢田正一(2023年1月)
第4回:今年の灘区コーラスフェスティバルを振り返って/神戸大学混声合唱団アポロン部長・松田衣里加(2022年10月)
第3回:神戸高校合唱部75年/兵庫県立神戸高等学校合唱部顧問・林香世(2022年5月)
第2回:灘区コーラスフェスティバルが設立に至る経緯について/灘区コーラスフェスティバル実行委員長・北畑雅敏(2022年2月)
第1回:灘区と合唱の不思議な縁(えにし)/灘区コーラスフェスティバル副実行委員長・濱田直勝(2021年12月)

(2)灘区コーラスフェスティバル

灘区の素晴らしいコーラス文化を大切に育て、次代へ伝えていきたい。そのような願いから、平成10年に第1回「灘区コーラスフェスティバル」が開催されました。それから毎年秋頃に、灘区コーラスフェスティバル実行委員会と灘区役所との共催のもと、灘区民ホールにて開催しています。
このイベントでは、区内のコーラス団体(学生から一般まで)が集まり、素敵な歌声を披露しています。
コーラスがもともとお好きな方はもちろん、普段コーラスに触れる機会のない方も、ぜひ、お気軽にお越しください!
これからも癒しのひとときをお届けできるよう、発信・継承してまいります。

第27回灘区コーラスフェスティバル

第27回灘区コーラスフェスティバル(2024年)の詳細は、「おでかけKOBE」に掲載しています。
合同合唱

経緯

灘区コーラスフェスティバルが設立に至る経緯について、第2回コラムよりご紹介します。


阪神淡路大震災から1年経った頃、まだ灘区内は、倒壊した家屋の後片付けや更地になった地域が多くありました。当時自分の合唱団も多くの団員が被災していましたが、何とか練習再開して行けるくらいの状況でした。自分たちの力になるのは、歌うことだと思い、練習再開しましたが、周辺の状況を見ていると、灘区の被災した方々にも自分たちのお子さんや周りの学校の子供たちが歌う姿を見れば、元気が出るのではないかと思いました。

周りの学校や団体をよく見ると、コンクールなどで立派な演奏する団体が灘区内に沢山ひしめき合っています。これだ!と思いました。灘区の皆さんが元気を出せる、自分たちの地域でこんな素晴らしい合唱が盛んで子どもたちや学生大人など広い世代にわたって元気を出して歌っていることが生きる勇気や自信につながるのでなはいかと思い、コーラスフェスティバルができないか、灘区内で活動する近隣の学校の合唱部や合唱団に一緒にやりませんかと声がけすると共に灘区役所のまちづくり課に相談しました。

当時区役所としても、震災復興のために様々な施策を行っていましたが、心の復興というテーマは当時まだ少なく、多世代にわたってのコーラスフェスティバルは生涯学習の面でも意味があること、さらにまた音楽的に見ても、また全国的に見ても地域にこれだけ多くの多世代にわたっての高水準のコーラスグループがあること自体、区の個性であり、財産でもあるととらえていただき、区役所と共催できることになりました。

始めて数回目の時に合同合唱の指揮をお願いした、元神戸高校の先生で兵庫県合唱連盟理事長でもあられた故平田勝先生から演奏終了後に「いいことやっているから、これからも続けてできたらいいね。」と言っていただいたのを良く覚えています。

震災後灘区の皆さんに元気を届けられ、また灘区から多くの合唱や音楽を愛する人たちが生まれています。この会の意味をあらためて思います。

現在、中学校4団体、高校3団体、大学1団体、一般2団体いずれも、兵庫、関西を代表する団体で、区民の一人としてもとても誇らしいと思います。

(灘区コーラスフェスティバル実行委員長・北畑雅敏)


 

お問い合わせ先

灘区総務部地域協働課