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神戸の里地里山が国連のデータベースに国内で初めて登録されました!~里地里山の豊かな恵みを次世代に引き継ぐため、企業版ふるさと納税などでの支援をお願いします~

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記者資料提供(2024年8月22日)
環境局自然環境課

神戸は都市近郊に里地や里山が広がる自然豊かな都市であり、この里地・里山は神戸が誇る財産です。
神戸市では、里地里山において、地域の方々や学生、市民団体、大学などと連携し、希少な動植物の保全のための環境整備や棚田・畑の再生などに取り組んでおり、2023年10月には北区の一部の区域が「自然共生サイト」※1に認定されました。
この度本区域が、生物多様性保全に資する地域である「OECM」※2(Other Effective area-based Conservation Measures)として、国連が管理する国際データベース※3に2024年8月、日本で初めて登録されました。

OECMへの登録は、2022年12月のCOP15(国連の生物多様性条約第15回締結国会議)で採択された新たな世界目標である「30by30」※4の達成のための日本の取り組みの一環です。
OECMへの登録を契機として、神戸市の里地・里山の魅力のさらなる発信を進め、様々な主体との連携を強化し、保全の取り組みを推進していきます。
このようなネイチャーポジティブにつながる取り組みに、企業版ふるさと納税などでご支援いただきますようお願いいたします。

※1 自然共生サイト
企業、団体、自治体等によって生物多様性の保全が図られている区域
※2 OECM
国立公園など保護地区ではない地域のうち、生物多様性を効果的にかつ長期的に保全しうる地域。今回、日本全体で4.8万haの区域が同時に登録
※3 国際データベース
国連が各国の「30by30」目標の達成状況を管理するための自然保護地域+OECMのデータベース
URL(日本の登録地域):https://www.protectedplanet.net/country/JPN
※4 30by30
生物多様性のため2030年までに各国の陸と海の各々30%以上の面積を保全する世界目標
※5 ネイチャーポジティブ
生物多様性の損失を止めてプラスの状態に反転させるという概念

OECMに登録された区域

〇神戸市北区山田町の「神戸の里山林・棚田・ため池」(約181.8haの区域)
2023年10月、環境省が進める「自然共生サイト」認定事業において生物多様性豊かな場所として認定された区域

場所の詳細については、以下の神戸市ホームページに掲載しています。
https://www.city.kobe.lg.jp/a66324/kurashi/recycle/biodiversity/satochi_satoyama.html

登録区域の自然と保護活動

(1)自然

①里山林
里山の森林や棚田跡の環境が広がっている。
里山林に残っているため池にはセトウチサンショウウオが、陽が射し込む林道にはキキョウ等の希少な動植物が確認されている
(2)棚田・ため池
一部地域については現在も地権者によって営農が継続されている。また、耕作放棄地では、市民団体が草刈りやため池整備などの保全活動を行っている。
多様なトンボが飛び交い、様々なカエルの棲み処となり、色とりどりの草花が生育する景色が残る動植物の宝庫となっている。
ベニイトトンボやカワラナデシコ等の希少種も数多く確認されている。

(2)保全活動

市民団体、学識経験者、行政が連携し、地域の協力を得ながら生物多様性の保全活動・生物調査を実施
(1)生物多様性保全活動の例
・棚田の畔や里山林の林道等の草刈り
・ため池における増えすぎたヨシやガマの刈り取り
(2)生物調査の例
・ため池における環境DNA調査
・目視等による生体確認や、糞や足跡等の痕跡の確認

生物多様性の保全の取り組みへの企業協賛のお願い

都市部の近くに里地・里山が広がる神戸市では、地域の方々や学生、市民団体、大学と連携して、希少な動植物の保全のための環境整備や棚田・畑の再生に取り組んでいます。

〇協賛(寄付)によるご支援
OECM登録地域などでの生物多様性の保全に関する取り組みに対し、協賛(寄付)を募ります。
ご支援に対して、ご寄付いただいた額に応じ、市HPでの紹介やOECM登録地内の看板にプレートを設置するなどによりPRを行います。

〈神戸市企業版ふるさと納税について〉

https://www.city.kobe.lg.jp/a05822/shise/kekaku/kikakuchosekyoku/kigyo-furusatonoze.html

〈寄付金の活用例〉
・希少な動植物の保全のための環境整備(耕作放棄地や林道の草刈り、ため池環境の整備など)
・大学や市民団体との連携による生物モニタリング調査(環境DNA分析調査など)
・里山資源の有効かつ持続的な利用(木材や備長炭製造など)
・耕作放棄地の棚田や畑の再生

OECMに登録された北区の里山の見学会(企業向け)

今回OECMに登録された里地里山の見学会と、ネイチャーポジティブの実現に向けた世界・日本の情勢やTNFDなどに関する企業向けのフォーラムを開催します。
※TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)
企業等が経済活動における自然環境や生物多様性に関するリスクと機会を評価し投資家や金融機関などに報告することを促す枠組みを構築する国際的な組織

〇開催日:2024年10月9日(水曜)
〇申込先
https://event.city.kobe.lg.jp/event/H4AysZTmcGwV3L7hKoC2

〈OECMに登録された北区の里山での活動等〉
①希少な動植物の保全のための環境整備

あぜの草刈り キキョウ
あぜの草刈り あぜに咲くキキョウ
ため池の整備作業 ため池にすむセトウチサンショウウオ
ため池の整備作業 ため池にすむセトウチサンショウウオ

②大学や市民団体との連携による生物モニタリング調査
環境DNA ベニイトトンボ
環境DNA調査 ベニイトトンボ(調査により生息確認)

③里山資源の有効かつ持続的な利用
樹木の伐採 備長炭
樹木の伐採 活用例(備長炭)

④耕作放棄地の棚田や畑の再生
稲作を通じた保全活動 シュレーゲルアオガエル
稲作を通じた保全 棚田のシュレーゲルアオガエル