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最終更新日:2023年5月24日
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第2回神戸市都市デザイン賞では、2013(平成25)年に市民のみなさまから推薦された作品の中から、選考委員会の選考を経て9件の受賞作品を決定しました。
作品名称をクリックすると作品の紹介をご覧いただけます。
小児がん治療中の子供たちが家族と住める住宅、診療所等から成る施設である。
遊び、学びも含めた普通の家庭生活を過ごすべき時期であるにもかかわらず、小児がん治療を受ける子どもは半年~1年以上にわたるつらい入院が必要となる。診療所の周りを家(病室)で包み込んでしまうなど、プランニングときめ細かなデザインの工夫、運営上の配慮により、精神的に不安定になりがちな闘病生活のなかでも子どもと家族が共にこころの余裕をもち、安心して過ごせるチャイルド・ケモ・ハウスは、まさに最先端の、医療とともに患者のための生活空間を提供するものとして、高い評価を得ている。
関わるだれもが勇気づけられる、暖かくも画期的な取り組みである。
有馬の温泉街で、古くから親しまれた名物である炭酸煎餅。そのルーツでもある炭酸泉源に隣接して佇む、製造所兼店舗である。御影 山手の邸宅街にあった和館の一部を移築した広間と、機能を補完するための新設店舗部分から成る。
来客で賑わう店舗の傍らで、開放感のある広縁に囲まれた広間では地域の集まりや演奏会が開催されるなど、伝統的な和風住宅の良質な素材に触れる機会を身近にしている。年月を重ねた風格ある佇まいは、風情のある有馬のまちに既に溶け込んでおり、新たな建設地の歴史も背景に、元々の建築物の良さを生かして生まれ変わらせるとともに、街としての魅力も高めた優れた作品である。
賑やかな新開地本通から一歩入ると、提灯や暖簾、植木が風情とうるおいを醸し出している路地空間。商いの場・暮らしの場を継承して、路地の狭さを生かした活性化を地元で進めようとしている。そのため近隣住環境計画を活用して、路面の美装化を進めるとともに、まちなみガイドラインに基づいて、建物側でも自然素材を活かしたファサードや敷際空間形成を誘導するなど、細やかで柔らかな表情を生み出す景観づくりを進めている。
また、灯かりのいえなみ協定による、安心感のある夜間景観形成も進めるなど、市街地の中できらりと光る、景観・ポイント賞にふさわしい作品である。
かつて最も重要な輸出品であった生糸の品質検査を行う施設として、大正から昭和初期の日本の近代産業を支えた。近代洋風建築として価値が高いネオゴシック風の大規模な庁舎建築は、その役割を終えた後も神戸ウォーターフロント空間のシンボルとして長年にわたり人々に親しまれてきたが、デザイン都市・神戸の創造と人材の育成・集積・交流の拠点として位置づけられ、新しい価値を生み出す創造の場として再生された。
人をひきつけ人を動かす力を持つ優れたデザイン。歴史的建造物の保存と、神戸の暮らしの豊かさを創造するデザインの拠点への活用という展開を、高く評価する。
戦争と震災を耐え抜いた、築80年を超える旧二葉小学校校舎。近隣自治会等が中心となって活用検討委員会を結成し、ワークショップの開催や「お掃除隊」の活躍によるメンテナンス、活用委員会だよりの発行による広報活動など、地域活性化の拠点として建物を存続させるため様々な取り組みを行った。
耐震改修等を経て地域人材支援センターとしてのオープン後も、人材育成、地域活性化事業を展開するなど地域が支え、愛される施設として定着している。子供サイズの机など小学校の面影を残しながら、アーカイブ写真館、ロボット工房を併設するなど、世代間のバランスが取れた施設として地域に溶け込んでいることも評価された。
日本最古泉の名にふさわしい、温泉情緒あふれるまちなみを保全育成するため、2001(平成13)年に活動を開始した。景観形成市民協定の締結、建築行為の際の事前調整による景観形成などの取り組みの結果、歴史的要素を取り入れたにぎわいの街なみが形成されつつある。
景観面に加えて、坂道や階段には手すりが設置されるなど、来街者へのもてなしの心があふれ、ほっとさせる癒しの有馬町まちづくり。「そぞろ歩きが楽しくて」を標語に進められてきた、これまでの取り組みを高く評価するとともに、今後の活動が、より一層大きく発展することを期待したい。
神戸製鋼所創成期の製鉄工場が稼働していた地、HAT神戸に建つ。
日射侵入を軽減する、窓を傾斜させた特徴的な外装デザインによる空調設備の負荷低減、建物内部に大胆に取り込んだエコヴォイドによる換気負荷の軽減、昼光利用による照明負荷の軽減など、様々な負荷削減をもたらすパッシブデザインを積極的に採用。建物外部には植栽を敷地外縁部に配置することにより、敷地周辺への潤いと安らぎを提供している。
これらの建築の工夫による環境配慮へ積極的な取り組みがCASBEE建築賞として高評価を得た。
ポートアイランドに集積が進む神戸医療産業都市の中核となる総合病院である。病院施設としてはCASBEE新築(竣工段階)でのSランク取得は、全国初となる。
さまざまな機能を要求される救急医療、高度医療を提供する病院において、環境配慮、利用者の快適性への取り組みを積極的、総合的に推進しており、神戸市民の生命と健康を守る基幹病院として、また医療先進地域のシンボルとして、CASBEE建築賞にふさわしい建築物となっている。
高断熱・高気密性能、高効率設備機器によって省エネルギー性を、プライバシーに配慮した屋上庭園、庭などの屋外空間を確保することにより住む人と近隣への快適性を実現し、環境配慮への先進的な取り組みを行った戸建住宅となっている。
今後、地域での先導的な環境配慮住宅の普及への、より積極的な取り組みを期待する。
神戸市都市デザイン賞では、受賞作品を表彰しています。第2回神戸市都市デザイン賞では、2014(平成26)年2月9日に表彰式・記念講演会を行いました。