がんの治療と就労について

最終更新日:2024年7月18日

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目次

がん患者さんが治療をうけながら働き続けることができるよう、職場が支援を行う際の取り組みや、患者さん自身が直面する問題についての対応のヒントなど、就労支援に関する情報をまとめています。

治療と仕事の両立支援とは
治療と仕事の両立に関する支援制度
がん患者のための就労支援セミナー
はたらく世代のがんの療養
治療を受けながら安心して働ける職場づくりのために
事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン
がん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会報告書

治療と仕事の両立支援とは

がんなどの継続して治療が必要な疾病を抱えた方が、治療をしながら仕事ができるよう、企業が一定の就業上の措置を行うことをいいます。

両立支援の流れ

治療と仕事の両立に関する支援制度

治療と仕事の両立について、労働者や事業者が利用できる主な支援制度の一覧です。

労働者が利用できる支援制度

類型 制度 申請窓口 対象者 内容(両立支援と関連する部分)
医療費 高額療養費制度 公的医療保険の担当窓口 公的医療保険の被保険者・被扶養者 同一月に支払った医療費の自己負担額が一定金額(自己負担限度額)を超えた場合に、超過分が後で払い戻される制度。自己負担限度額は被保険者の年齢・所得状況により設定されている。診療月から払い戻しまでは通常3か月以上かかる。
限度額適用認定証 事前に発行された本認定証を医療機関等に提示することで、高額療養費制度を利用する場合に、1か月間の窓口での支払いが自己負担限度額以内に抑えられる。
高額療養費貸付制度 同一月に支払った医療費の自己負担額が自己負担限度額を超えた場合に、当座の支払いに充てる資金として、高額療養費支給見込額の8割相当の貸付を無利子で受けられる。
高額医療・高額介護合算療養費制度 公的医療保険の被保険者・被扶養者で1年間に医療保険・介護保険の両方で自己負担があった者 医療保険・介護保険の自己負担額の合算が基準額を超えた場合、超過分の払い戻しを受けられる。
確定申告による医療費控除 所轄税務署の担当窓口 確定申告を行った納税者 同一年に自身や生計を一にする配偶者・その他親族のために支払った医療費のうち、一定金額分の所得控除を受けられる。
生活支援 傷病手当金 協会けんぽ、健康保険組合担当窓口 協会けんぽ、健康保険組合の被保険者で、傷病のために会社を休み、事業主から十分な報酬を得られない者(ただし任意継続の被保険者は対象外) 以下の4条件すべてに該当した場合に、最長1年6か月の間、1日当たり、被保険者の標準報酬月額の30分の1の、3分の2相当額の支払いを受けられる。
  1. 業務外の事由による傷病の療養のための休業である
  2. 就業が不可能である
  3. 連続する3日間を含み4日以上就業できなかった
  4. 休業期間について給与の支払いがない(支払額が傷病手当金の額より少ない場合は差額の支給を受けられる)
生活福祉資金貸付制度 居住する市区町村の社会福祉協議会
  1. 必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)(低所得者世帯)
  2. 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者、その他現に障害者総合支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる者の属する世帯(障害者世帯)
  3. 65歳以上の高齢者の属する世帯(高齢者世帯)
無利子または低金利で、生活再建に必要な生活費等の貸付を受けられる。
介護保険制度 住所のある市区町村の介護保険担当窓口 要介護認定等を受けた者 要介護認定等を受けた者の必要に応じて、所得の状況により1~3割の自己負担により、介護サービスを受けることができる(40~64歳の第2号被保険者は1割)

事業者が利用できる支援制度

制度 申請窓口 概要
治療と仕事の両立支援助成金 独立行政法人
労働者健康安全機構
  • 環境整備コース

1企業又は1事業主当たり20万円(1回限り)
事業者が、新たに両立支援制度(勤務制度や休暇制度等)の導入を行い、かつ、両立支援コーディネーターを配置した場合に助成する。

  • 制度活用コース

1企業又は1事業主当たり20万円(有期・無期契約各1回限り)
事業者が、両立支援コーディネーターを活用し、両立支援制度を用いた両立支援プランを策定し、実際に適用した場合に助成する。

人材確保等支援助成金
(雇用管理制度助成コース)
都道府県労働局 事業主が、新たに雇用管理制度(諸手当制度や従業員の健康づくりのための制度(胃がん検診、肺がん検診等が該当)等)の導入・実施を行い、当該制度の適切な運用を経て従業員の離職率の低下が図られた場合に、目標達成助成57万円(生産性要件を満たした場合は72万円)を支給する。

兵庫県三大疾病療養者の治療と仕事の両立支援事業

兵庫県では、三大疾病(がん、脳卒中、心血管疾患)に罹患しても離職することなく、治療と仕事を両立できる環境の整備を目的として、治療のために一時休職する従業員の代替職員を雇用した場合、その賃金の一部を助成する事業を実施しています。

対象の事業所

  • 健康づくりチャレンジ企業に登録している企業のうち、従業員数(常時雇用労働者数)が、300人以下の事業所
  • 兵庫県内の従業員数100人以下の事業所等

補助金額

代替職員の賃金の2分の1(1か月あたり上限10万円)

補助対象となる期間

休職職員の休暇期間内かつ、代替職員の雇用期間(最大7か月)

⇒詳細は、三大疾病療養者の治療と仕事の両立支援事業(兵庫県)

がん患者のための就労支援セミナー

がんを患う従業員に対し、企業による就労支援の必要性は非常に高まっています。
神戸市内企業における就労支援に対する理解を深めること等を目的として「がん患者のための就労支援セミナー」を開催しています。

令和6年度の開催については、詳細が決まり次第このページにてご案内します。

はたらく世代のがんの療養

「がんと共に働き、生きる」ことができる社会の実現のために、ご本人、ご家族、企業、地域社会、医療機関ができること、考えていくべきことについて紹介しています。

がんと仕事のQ&A(第3版)

多くのがん患者さんが直面する、職場復帰や経済問題などの悩みに関する質問に対する回答がまとめられている冊子です。
 

がんと仕事

がんと仕事のQ&A(第3版)(国立がん研究センターがん情報サービス)

治療を受けながら安心して働ける職場づくりのために

事例から学ぶ、治療と仕事の両立支援のための職場における保健活動のヒント集です。

事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン

このガイドラインは、事業場が、がん、脳卒中などの疾病を抱える方々に対して、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と仕事が両立できるようにするため、事業場における取組などをまとめたものです。
 

ガイドライン

事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン(厚生労働省)

マニュアル

参考資料(ガイドライン別冊)企業・医療機関連携マニュアル(厚生労働省)

 

がん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会報告書

がん患者・経験者の就労支援(就労継続・復職、新規就労への支援)のために今後取り組むべき方策等について厚生労働省に設置された検討会が、平成26年8月に取りまとめた報告書です。

お問い合わせ先

健康局保健所保健課